Thursday, October 15, 2015

アイデア





人が考えることなどそんなに前人未到の新しいものなんてそうあるものではないのかもしれません。どこかで何かにインスパイアされていたり、忘れていたはずの何かが蘇ってみたり。

先日 東京五輪のロゴマーク問題が世間を騒がせていました。本当の真偽は本人のみぞ知るということでしょう。

私も手指の関節を痛める前は陶器作品を制作しギャラリーで展示販売をしていた時期が数年ありました。クラフト店にもいくつか置かせていただいていました。その際にお店のオーナーから「これすごく売れるんだよね。同じのを作って欲しいんだけど。」と他の作家さんが作った作品を見せられました。その作家さんと取引がなくなっていたらしくそれでもわずかに残っていたその作品は人気だったので作って欲しいと言われたのです。

「同じもの・・・・・」ぐっと返答に困りました。帰宅してから考えましたが、やっぱり引き受けることができませんでした。その作品がどうして人気でいい作品なのか・・・それは作った作家さんの心だからです。たとえそれが技術的に至らないものであったとしてもその作品は作り手のものなのです。もちろん真似したところで全く同じものなどできないことはわかっています。ですが、心のどこかに ”他人の作品を盗んだ” というわだかまりが残ります。それはものづくりを生業とする人間として悲しいことだと思いました。


人間だから似たような考えやアイデアが出てくるのは仕方ありません。びっくりするくらい同じようなアイデアで出くわしてしまうと笑っちゃうほど。ただ 出来上がった時期やらを調べてみるとこっちが先で あっちが後だな なんていうのもわかるし、真似したわけではなく単なる偶然ということの方が案外多いかもしれません。実際にそういう経験もあります。

なぜこういう話題を書いたかといいますと、先日親しくしている知人が来宅して話をしていた際に東京五輪のロゴマーク問題が話題になり、「モノ作りをしている立場としてどう思う?」と聞かれたからです。

本人の心の中にある大切な部分。人のモノを安易にコピーするということはその人の大切なところへ土足で踏み込むようなもの。インターネットが普及してからは、よそ様のサイトの画像を簡単に自分のサイトに使ったりする行為が増えたとか。ブックマークしてよく見ている人気お弁当ブログの当事者の方が画像を丸ごと持っていかれ、しかも自分が彼氏に作ったと堂々と記事を書いていたらしく、呆れながら苦言を呈しておられました。そこまでやっちゃうとは笑うしかありません。何がしたかったのか意味がわかりませんけれど(笑。


自分は何も努力せずそのものをまるごと持って行く行為。

悲しいことです。その作品や写真がいいと感じたのならその心意気やエッセンスを真似すればいいと思います。むしろそれならどんどん吸収すべきところ。盗んで学べというのはそういうことだと思います。

綺麗ごとかもしれませんが 自分の心とまっすぐに向き合えなくなったら辛いことだと思います。